ん~、なんでだろうなあ、不思議だなあ~・・・。
まったく何よ、一体どうしたの?
ジャンプってなんで紙に色が付いてるんだろう、と思って・・・ほら。
ああ、これね!これには色々な深い理由があるのよ!
なななな、なんだってえええーーーー!!
と、いうわけで週刊少年ジャンプは、緑や黄色、ピンクなど紙に色がついていて意外にも”カラフル”になっていることにみなさまはお気づきだろうか?
電子版で読んでいる方、長年読み続けている方は今さら気にならないことだろうが、きっと普段読んでいない方ならば気になることだろう。
今回はそんな、週刊少年ジャンプの”紙”と”色”に関するお話。
まずはジャンプに使われる”紙”について知ろう
ごほん・・そもそもジャンプは”何の紙”を使って作られているか知ってるかしら?
ああ、それは聞いたことあるよ!”再生紙”だね
そうね、巻末にも書いてあるけど、使われている紙の85%が”再生紙”でできているのよ。
多くの方はご存じのことだと思うが、週刊少年ジャンプは要らなくなった紙を再利用した”再生紙”によって作られている。
しかし、もちろん何の理由もなく、”再生紙”を使っているわけではない。
”再生紙”を使っている一番の理由としては、やはりコスト面だ。
漫画雑誌といえば、よほどのコレクション癖がない限り、基本的に「読んだら捨てる」という方が圧倒的に多い。
そんな”捨てられる”ことを前提とした雑誌に、出版社としてもグレードの高い紙を到底使うわけにはいかないのである。
安いに越したことはないもんね。
でも、これがよく考えられててすごいのよ・・・。
ジャンプの使う”再生紙”のメリットとは?
”再生紙”とはいっても上質紙やコート紙などなど・・・その種類は多いのだが、週刊少年ジャンプは『印刷せんか紙』という”再生紙”を利用して作られているといわれている。
この『印刷せんか紙』とは、簡単にいうと古新聞や製本所で断裁のときに出る断裁片を混ぜて作られたものである。
諸々の理由から『綺麗に印刷できない、細かい線には向かない、ずれやすいので多色刷りできない、断裁時にしわが寄りやすい・・・』などなど、一般的に使用するにはデメリットが多い紙ではあるのだが、漫画雑誌にとっては意外なメリットがある紙なのだ。
では、コスト面以外にどんなメリットがあるのだろうか?
①紙に厚みがある
『印刷せんか紙』の特徴のひとつとして、紙に斤量(厚み)があることだろう。
実際に1枚触ってみればわかるのだが、一般的な紙よりも厚い感じがしないだろうか?
この厚みを利用することで、雑誌にページ数以上の厚みが出て、「ボリュームがあるな」「値段以上に楽しめそうだな」といった視覚効果を与えることができるのだ。
同じ値段の雑誌が並んでいたら、多くの人は”厚みのあるもの”を手に取る、というわけだ。
②長期保存に向いてない
もうひとつの特徴としては、長期保存に向いていないということ。
『印刷せんか紙』は紙自体がもろく、水分を含みやすいことや、光ですぐに色褪せしてしまうので保存方法が難しいと言われている。
これはデメリットに思われがちだが、出版社からすればメリットでしかないのである。
なぜならば、長期保存ができないため、好きな連載漫画があっても、読者は雑誌そのままでの保存は困難・・・そうなると誰しも「単行本を買おう」と思うはず。
つまり、長期保存に向いていないことが、単行本の売り上げに直結しているのだ。
へぇ~、しっかり考えられてるんだね・・・。
ただ、”安いだけで使ってるわけじゃない”っていうのがすごいわよね。
なぜジャンプの紙には色がついている?
そして、ここからが今回の本題の”色”についてよ!
・・・・(長かった)
さて、週刊少年ジャンプに使われている紙のことが大体わかったところで、今回の本題である『ジャンプの紙にはなぜ色がついているのか?』という疑問。
その答えはもちろん『印刷せんか紙』=”再生紙”に隠されている。
実は、通常、”再生紙”を作る工程には『脱墨』と呼ばれる作業が必要になってくる。
脱墨とは、紙についている黒ずみや汚れなどを漂白して綺麗にする作業だ。
しかし、この作業、再生紙に含まれる”古紙の比率”が多ければ多いほど難しいと言われている。
つまり、10・・20・・30%と上がるにつれ、より難しいということだ。
ちなみに週刊少年ジャンプが使用している『印刷せんか紙』は古紙を100%使っている。
つまり脱墨作業が非常に困難なのだ。
困難なものを『脱墨』しようとすれば、当然、コストも大きくかかってくる。
しかし、『脱墨』をしないと黒ずみや紙の汚れが目立ってしまう・・・・。
一体どうすれば・・・。
そこで集英社の偉い人達は考えに考え、考え抜いた末、ある”ひとつの答え”を閃いた。
「そうだ、紙に色をつけて、黒ずみや汚れを誤魔化しちゃえばいいんだ!」
そう、紙自体に”色をつけて誤魔化す”という手段である。
しかも大量生産のため、脱墨よりも色付けのほうがコストは大幅に抑えられるのだ。
さらに、色をつけたことによって、”ある効果”も生まれたのであった。
それは、”メリハリをつけられた”ということ。
紙に数種類の色があることで、雑誌のアクセントにもなるうえ、内容や作品によって色を替えることで、読む側にメリハリをつけさせ飽きさせない工夫となっているのである。
なんとこの”色のついた紙”には、コストを大幅に抑えながらも、雑誌のクオリティを上げるという、まさに一石二鳥のアイディアが詰まっているのだ。
以上が、週刊少年ジャンプの紙に色がついている理由の真実である。
なるほど、色がついてるのは、そんな理由があったんだね・・・。
色々と工夫がされてて面白いわよね。
最後に・・・
以上、『ジャンプの紙にはなぜ色がついているのか?』であった。
普段ペラペラと何気なくめくっているジャンプだが、何か疑問を持って調べてみると、ひとつひとつに、それなりに深い理由が潜んでいて面白いものである。
ちなみに今回の件はあくまで個人的な推論にすぎないため、100%事実として受け止めるより、「へぇ、そうなんだ」程度で捉えてもらえれば。